【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
ついさっきまで酷く傷ついたようなものだったのが。打って変わって、苛ついたような表情に豹変した結城君は、忌々し気に円らな瞳を眇めて冷笑を零した。
その姿に、例えようのない恐怖を感じ、背筋がゾクゾクッと逆立つような妙な感覚に襲われて。
知らず布団を抱き寄せている手にグッと力が籠る。
かと思えば、次の瞬間には、ふっと優しい笑みを零した結城君が口を開いた。
「あぁ、そうか、ごめん。そう思い込まなきゃいけなかったんだもんね? 僕ともう会えないって思ってたから、僕の代わりに付き合ってるだけでしょ? 僕にまで嘘つかなくてもいいのに。それとも、照れちゃってるのかなぁ? そういうところ全然変わってない。メチャクチャ可愛い」
「……え!? ちょっと、何訳わかんないこと言ってんの?」
けれども、不可解すぎて、結城君の言ってることが頭に入ってこない。
結城君のことがますます怖くなってくる。
不意に、十年前に結城君にキスをされた時の光景が脳裏を過った。