【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
既に到着していた櫻井さんと同僚と思しき男性と涼と僕とで、侑李さんが居ると思われる(既にホテルのフロントで櫻井さんが聞き出してくれていた)客室へと踏み込んだ。
櫻井さんが解錠しバンッと荒々しく蹴破るように開け放ったドアの向こう側。
「ゆっ……侑李さんッ!」
ベッドに組み敷かれている侑李さんの姿を捉えた僕は、今まさに侑李さんの首筋から顔を上げて、踏み込んだ僕らのことを凝視して固まってしまっている男のことをぶっ飛ばしてしまっていた。
そしたら間髪入れず、櫻井さんの大きな溜息交じりの声が聞こえてきて。
「隼、今のは大目に見てあげるけど、それ以上やるとアンタもブタ箱にぶち込むわよッ! それより、大事な彼女が先でしょッ! ホント男ってバカね」
「……す、すみません」
「……は、はや、と……ふっ、ふぇ」
「侑李さん、遅くなってすみません。もう大丈夫ですよ」
なんとか我を取り戻した僕は、櫻井さんに素直に詫びてから、僕の存在に気づいてホッとしたのか、子供みたいに泣き出してしまった愛おしい侑李さんの身体をぎゅっと掻き抱くようにして腕に包み込んだ。
その傍らでは、櫻井さんと同僚の刑事に取り押さえられた男が、茫然自失状態で連行されて行くようだった。