【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
このように、考えが悪い方にばかり偏ってしまっていた私は、これまで心の片隅に積もりに積もった不安を一気に爆発させてしまうのだった。
「そうよ、その通りよ。悪い? 隼が櫻井さんを呼び捨てにされるのが嫌で嫌でしょうがなかったし。隼が櫻井さんのことが好きっていうなら、身を引くのが普通だろうけど、そんなの無理。それくらい隼のことが好きなんだから、しょうがないじゃないッ! どうにかして引き止めたいって思うのが普通でしょッ?! それを愉しそうに。酷いッ! もう大っ嫌いッ! 放してッ!」
カッと頭に血が上って、鼻息荒く言い放ちながら、隼によって胸に強く抱き寄せられているお陰で思うように身動きが取れない中。
なんとかして抜け出してやろうと暴れているうちに、私はいつしか泣きじゃくっていて。
泣いている所為で興奮しきっている私は、もう、何が何やら分からないくらい頭の中はぐちゃぐちゃだった。
そこへ、またまた隼の声が聞こえてきて。
「侑李さん、全部、誤解です。僕が侑李さん以外のことなんて好きになる訳ないでしょう? でも、そう思ってくれていたなんて。僕のせいで余計な不安を抱かせてしまった侑李さんには悪いですが、僕は幸せです」
けれども、興奮してしまって聞く耳を持たない私は、相変わらず、隼の腕の中で手脚をバタつかせて暴れることしかできないでいたのだけれど。