【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
私が櫻井さんに事情を話す際、ずっと傍に付き添ってくれていた隼。
その際、結城君が私のファーストキスの相手だと知ったから、なおさらだったのかもしれない。
今回のようなことはそうそうないにしても、少なからず、こういう不安は、付き合っている人が居る人なら、誰もが抱いているものなんだろうと思う。
そういう不安を払拭するには、もっともっとお互いのことをよく知って、ゆっくり少しずつ時間をかけて信頼関係を築いていかなきゃならないんだろう。
それでも、不安を払拭するなんてことは一生できないのかもしれない。
きっとこれからだって、色んなことがあるんだろうし。
そう考えると、人を好きになるってことは難儀なことだ。
隼のことが好きで一緒に居たいなら、そういう辛いことも乗り越えなきゃいけないんだから。
少しでもこういう不安を払拭できるように、私も、隼にちゃんと素直に想いを伝えないと。
とか思っても、なかなか実行はできないんだろうけど。
そんなことを考えていたからか、不意に、小さい頃よく目にしていた、どんなときにも仲睦まじく寄り添い合い笑い合っていた両親の姿が浮かんできて。
ーーいつか、隼とそういう関係になれたらいいなぁ。
なんて、ここ最近よく思い描くようになった、ひとり脳内妄想を繰り広げていた私の耳に、唐突に、話題を変えた隼の声が聞こえてきた。
「誤解が解けたようで良かったです。……でも、どうして手錠なんですか?」