【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
三上室長や、自分たちよりも古株の先輩秘書である、会長秘書の明石《あかし》さん(五十代)や元会長秘書で指導係の磯村《いそむら》さん(五十代)、誰にでも容赦ない夏目さん、ちょっと近寄りがたい無口な蔵本が居ない時に限り。
こういう態度をとられるくらいのことだ。
けれど、正直、いい気はしないため、私が先輩方に抱くイメージは、ますます悪くなるばかりだった。
「あら、どうしたの? そんなに眉間に皺寄せちゃって。せっかくの美人さんが台無しだわ。このお菓子、西城部長にいただいたから、美味しい紅茶でも淹れて少し休憩しましょうか?」
「……はい、ありがとうございます」
そこへ、販売部の西城部長の元へ所用で出向いていた三上室長が戻ってきて。
給湯室で、三上室長と紅茶の用意をしているうち、ささくれだっていた心が解れて、引き継ぎも問題なく済ますことができ。
あんなに気乗りしなかった、蔵本からの引き継ぎや、諸々の説明なども無事終えることもできた。
そうして、終業時間を迎えて、秘書室の先輩方がそそくさと帰る準備を始めた頃だった。
何故か、あの鬼畜が、秘書室に現れたのは。