【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
明日から、仕事がやりにくくなっちゃうじゃない。ただでさえ、先輩方には煙たがられてるっていうのに……。
そのうえ、今度は、この鬼畜の所為で、あることないこと言われちゃうじゃないか。
――ちょっとっ、どうしてくれんのよっ!
相変わらず、私の足元で跪いてなにやらうっとりと恍惚の表情を浮かべてしまっている鬼畜に向け、私がこれ以上にないってくらい強い視線で抗議してみるも。
鬼畜は、顔色一つ変えることなく、しれしれっと私のことを見上げていて、全くと言っていいほど、堪えてはいないようだった。
そればかりか、鬼畜のそういう態度に、憤慨する私の反応を愉しんでいるような、そんな風にしか見えないから、余計に腹が立ってしょうがない。
けれども、この鬼畜に、一千万で雇われている身としては、ここで事を荒げたりして、余計な業務を増やされないとも限らないし……。
――ってか、絶対、この鬼畜ならやりかねない。
だから、下手に動けもしないし、結局はされるがままで我慢するしかないのだ。
きっと、これらの悔しさを隠しきれていないだろう私がキッとさっきよりも鋭い眼差しで鬼畜を射抜くように見据えれば。
そんな私の心情を察したのだろう鬼畜が、口角を片方だけ吊り上げたニヤリとした微笑を、傍に居る私にだけ分かるように、ほんの一瞬だけ浮かべて見せた。
――こ、この鬼畜、わざと私のことを怒らせて、それを見て愉しんでるんだ。