【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
私だって、ベビードール姿だから隼のことは言えないが、目のやり場に困ってしまう。
きっと、シャワーでも浴びに行こうとしているのだろう。
が、しかし、育ちがいいせいか、隼は私しか居なくても、きちんとバスローブか何かを羽織っていて、こんなふうに素っ裸どころか、パンイチでうろつく姿でさえ一度も見たことがない。
それは、これまでお風呂上がりにパンイチでうろつく父や兄の姿に見慣れてた私にとっては、結構な衝撃だった。
もしかしたら、怒ってるせいで、自分が素っ裸だってことにも気づいていないのかも……。
ーーだとしたら、メチャクチャ怒ってんじゃん。
予想以上に怒っているらしい隼の様子に、どうしたものかと頭を抱えつつ、隼の動向を見守ることしかできないでいた私は、ドアに向かおうとする隼の腕をひっつかんだ。
「隼、待って!」
縋る思いで引き留めようとするも。
「言い訳なら聞きたくないと言ったでしょう? 何度も言わせないでください」
腕を掴んだ私の手を振り払うと、スタスタとドアに向かって再び歩き始めてしまった、頑なな態度を見せる隼。
それでもどうにか話だけでも聞いてもらおうと、私は懲りずに隼の背中にしがみついた。
案の定、隼からは間髪入れず、
「放してください」
突き放すような言葉が放たれて。
それでも、ここで諦めたら、もうずっと許してくれない気がして。
私はいつもの強気の態度なんてどっかに置き忘れたかのように、隼の身体に必死になって抱きついて、言い訳を放つのだった。