【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

「いえいえ、アレぐらい印象付けておかないと。いままで接点のなかった僕と高梨さんが、ある日突然”恋人”になったなんて、誰も信じませんよ。それに、これまで、あなたは僕のことを好意的には思っていなかったでしょうしねぇ?」

「……それは、そうですけど。だからって、なんの説明もなく、いきなりあんなことしなくったっていいじゃないですかっ!」

「ハハハッ、そこは否定してくださらないのですねぇ? ますます気に入りました」

「……えっ? 最後の方、なんて言ったか聞こえませんでしたけど」

「いえいえ、大したことではございません。それより、さっきからそんなに目くじらをたてて怒っていたのでは、さぞかしお腹も空いてるんじゃないんですか?」

 ――フンッ、あんたのせいでしょッ!

「いえ、別に――「ぐる~」!?」

「ハハハッ、あなたのお腹は素直で可愛らしいですねぇ」

「////」

 それなのに、こういう時だというのに、元気だけが取り柄の私のお腹は、今日も頗《すこぶ》る絶好調らしく。

 鬼畜に向けて、鼻息荒く突っぱねた筈が、お腹の虫を鳴らしてしまうという、なんとも恥ずかしい大失態を犯してしまった私の怒りは、すっかり羞恥へと切り替えられてしまった。

 それを、とても愉しそうに声を立てて笑う鬼畜の放つ言葉と、運転席で肩を僅かに震わせ、笑いを堪えてるのだろう蔵本の姿に、私の羞恥は、ますます煽られてしまうのだった。
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