【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
ここへ来て、散々焦らされたことにムッとして、隼のことを恨めしそうにジト目で見つめ返した刹那。
極上のキス同様、私のことをとっても愛おしそうに眇めた瞳で見つめている隼の蕩けそうなほど、極上なキラースマイルが待ち受けていて、私は思わずたじろいだ。
けれど焦らしに焦らされ燻った身体はもう限界だった。
それなのに余裕そうな隼の姿に、尻込みしかけていた恨めしさがムクムク浮上してくる。
妙なところで気の強さが顔を出してしまった私は、『今すぐ隼がほしい』その一言が言えずに、隼にハグを強請るのだった。
「……隼、ぎゅってして?」
まぁ、でも、文句を言わなかっただけ、可愛いもんだ。うん、良しとしよう。内心で自分を褒めていた。けれどーー。
「ええ、いいですよ。でも、それだけでいいんですか? 侑李さんが僕にどうしてほしいかちゃんと聞かせてください」
「////ーー!!」
意地悪な言葉が返ってきたため、散々焦らしておいたクセにまだ焦らすのか、と怒った私は隼をキッと鋭く睨みつけた。その刹那。
「侑李、ちゃんと聞かせてほしい。侑李は僕にどうしてほしい?」
「ーーッ!? 今すぐ隼がほしいッ」
返ってきたのは、極上のキラースマイルから無邪気な悪戯っ子のような表情へと早変わりした隼の、いつもの敬語口調のモノとは全く違う砕けたモノで。
おまけに、呼び捨てまでが合わさっていたから堪ったもんじゃなかった。
たちまちズッキューンと盛大な音を奏でた胸の鼓動は、一段とスピードを増し、尚もドクドクと高鳴っていく。
今にも心臓が破裂するんじゃないかって心配になるくらい騒がしい。
この短時間の間に、砕けたタメ口口調と呼び捨てというキラーアイテムまで獲得した隼の無敵な攻め立てに、瞬殺された私はもうキュン死寸前のメロメロ状態だ。