【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
もし、あのまま隼との子供を授かっていたら、そのまま結婚することになったんだろうなぁ。
男の子でも女の子でも、隼に似たらメチャクチャ可愛かったんだろうなぁ。
なんて、仕事の合間やふとした瞬間などに、気がつけばそんなことばかり考えてしまっていて。
どうやら私は、『互いに想い合う気持ちがあれば、付き合った期間なんて関係ないと思うんです』そう言ってた隼の言葉にすっかり感化されてしまっているようだ。
「侑李さん、どうかしましたか?」
「……へ? あっ……ううん。何でもない」
キラキラと色とりどりに輝き続ける光の粒に覆われた車窓をぼんやりと眺めて感慨に耽ってしまっていたらしい私は、ふたりの時以外では相変わらずの“さん付け呼び“で私のことを呼ぶ隼の声に、ようやく現実世界に引き戻された。
ちなみに、隼の敬語が崩れるのは、ふたりきりの、それも“セックスの時だけ“というのがこの一週間の間ですっかり定着していて。
正直それがちょっと寂しくもあったんだけど。
それはきっと、『意識しすぎて呼べなくなるんです。それだけ、僕にとって侑李さんは特別なんです』そう言ってくれた、不器用なところがある隼のことだから、今はそれが精一杯なのかもしれない。
そう思ったら、隼への愛おしさはますます募るばかりだった。
隼と蔵本とのとりとめのないやりとりに耳を傾けていると、程なくして、目的地である蔵本の実家の経営する老舗呉服屋の駐車場へと到着していた。