【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
半信半疑って気持ち丸出しの私の言葉を聞いて、両肩を掴んでいた力を緩めた隼。
同時に、ふっと隼の纏っていた緊迫した空気と表情が緩んで、いつもの甘いマスクの隼の優しい眼差しに、硬く閉ざしかけていた心が解れていく。
それでもまだショックが拭いきれずに隼を見つめたまま動けずに居る私に、隼はしっかりとした口調で一言一句言い聞かせるようにしてゆっくりと口を開いた。
「ええ、本当です。侑李さんと付き合うようになって、何度自分の不甲斐なさを嘆いたか分かりません」
隼の言葉に嘘偽りがないんだって分かったら分かったで、今度は、まさか隼がそんなことを思っていたなんて驚きでしかなかった。
「……そんなこと思わなくていいのに」
私なんて、いつも優しい隼に甘えてばかりだったのに、どうして隼がそんなこと嘆くの、と。
「今日だってそうです。涼の母親に会ったとき、侑李さんが亡くなったお母様のことを思い出して泣きそうになっていても、僕は傍で見守ってるだけで何もできませんでした」
「な、なんでそんなことまで分かるの?」
今度は、そんなことまで見抜かれていたなんて、驚きすぎて涙なんて引っ込んでしまっていた。続けて。
「それくらい見てれば分かります。それほど僕が侑李さんを愛してるってことです。否、今はさっきの続きが先です」
話しているうち、いつしか緩んでいたはずの隼の表情がさっきの気迫に満ちたものに様変わりしていて。
普段は甘いマスクの面影がすっかり消え失せ、怖いくらい真剣な面持ちの隼の気迫に満ちた声音に、
「……え? あぁ、はい」
思わず私の背筋までがピンと伸びていた。そこに。