【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

「ええ、確かに、そうだったように思いますけど。あの時は、急に現れたお母様に酷く叱られてて、それどころじゃなかったでしょうし、侑李さんが忘れるのも無理ないですから。気にしなくていいんですよ」

「そういうことじゃなくて、私の初恋は隼だったみたい。ずっと夢だと思ってて、でも、違ったみたい」

「……え? ということは、あの時のことを思い出してくれたってことですよね? 侑李さんに百回好きだって言われるよりも、いいえ、勿論言われるのも嬉しいですけど。思い出してもらえたことにメチャクチャ舞い上がってます。何よりあの初キスの男や元彼よりも速く侑李さんに出逢えてたってことが嬉しいです」

 ようやく、昔よく見ていたあの夢の男の子の正体が隼だったと分かり、私は興奮冷めやらぬ、詳しい説明もせずに隼に飛びつく勢いで迫ってしまっていた。

 隼は、未だに結城君や元彼のことが気にかかっているみたいだけど、そんなものとっくに霞んじゃってるのに。

「そんなに結城君や元彼のことが気になるの?」
「当たり前です。嫌な思い出であっても、侑李さんがそのふたりを好きだったって事実は消えないんですから」

 それを言うなら、私だって、数多居たって言うセフレのことを思うとモヤモヤするんだから……!

「私だって、隼にセフレが居たって考えただけでも嫌でたまんないんだから、そんなのおあいこでしょ?」
「それを言われたら、何も言えなくなります」
「だから、もう、やめよう? そんなこと言ってもきりがないし、時間がもったいないもん。それよりお腹すいたから速く部屋に帰りたい」

 ーーもうそんなこと思い出したくもない。そんなことより、隼との時間を大事にしたい。

「そうですね? 分かりました。今夜は僕が作ります。何が食べたいですか?」
「隼が欲しい。今度は私が隼のことをどんなに想っているか教えてあげるから覚悟してよね? その前にぎゅうってしてほしい」

 ーー隼のことをずっとずっと独り占めしたいし、隼にも独り占めしてほしい。

 そうは思っても、照れがあるから上から目線はやめられそうにないけど。

 それでも隼に甘えたいとも思う。

 ただの我が儘な子供と一緒だって自分でも思うけど、もう抑えられそうにない。ううん、もう抑えたくもない。全部全部受け止めたいし、全部全部受け止めてほしいーー。
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