【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
「隼さん、とっても嬉しそう。さっきから高梨さんのことばっかり見てるし。高梨さんを好きだって気持ちがダダ漏れになってる。高梨さんも隼さんのことすっごく好きみたいで、すっごく安心しました」
その内容に、不意を突かれてしまった私は、ボンッと音が出そうなくらいに赤面してしまっていた。
以前は、もっと鈍感で、そんなことに気づいてなどいないような初心な子だったはず。
これが俗に言う、もうすぐ母になる女性の強さなんだろうか。
……なんて感心しつつ、グラスに注がれているスパークリングワインを一気に煽って、顔の赤さを誤魔化すという姑息な手段にでるしかなかった。
そんな私の耳には、美菜さんが何気なく放ったと思われる言葉がしっかりと届くのだった。
「実はお正月に会ったときに、自分のことを『欠陥品』とかなんとか言ってたから、すっごく心配だったんです」
どうやら隼は、美菜さんにも、自分の悩みを零していたらしい。
別に、どうってことない。
隼にとって美菜さんは兄嫁なんだし、家族なんだから。
必死に自分にそう言い聞かせてはいるが、内心動揺しまくりだった。
だって、そのことを話してくれた隼の様子からして、家族だからって、気軽にそんなことを話すようなそんな雰囲気でもなかったし。
私の知る限り、隼はそんなタイプではないと思えたからだ。