【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
思わず立ち上がって支えようとした私の目の前で、バランスを崩してしまった美菜さん。
ーー危ないッ!?
声をかけるような暇もなく手を差し伸べた私よりも先に、ちょうど私の傍に来ようとしていたらしい隼が、身重の美菜さんの身体を軽々と抱き留め、一同でホッと胸を撫で下ろした。
「すみません。ちょっと滑っちゃって」
「いえいえ、転ばずに済んでなによりです」
美菜さんと隼が言葉を交わした刹那、血相を変えた要さんがもの凄い勢いで美菜さんの元まで飛んできて。
未だ美菜さんの身体を抱き留めたままだった隼のことを押しのけるようにして、間に割り込むと。
「後は俺がする」
鬼の形相で、地を這うような低い声を放った要さん。
隼もそうだけど、綺麗な顔の男性が怒ると迫力が増すんだということを思い知った瞬間だった。
それと、噂ではかなりの愛妻家だとは聞いてはいたが、それも本当だったと言うことも。
暢気にそんなことを考えていた私が、何気なく隼の方に視線を向けると。
何故か、酷く傷ついたような表情をしていて、胸がツキンと痛んだ。