【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
すっかり興奮してしまっている隼をなんとか落ち着かせようと、
「は……隼、そんなに気にしなくても、私、女として全然見てもらえてなかったから」
放った言葉も、どうやら逆効果のようだった。
隼は私の言葉を聞き終えるやいなや、またまたガッと目を大きく見開き、前のめり気味に。
「そんなの分からないじゃないですかッ。それにそんなことよりも、侑李さんがその男のことを好きだったってことの方が気になるんです。不安になるんです。夏目さんが知ってるってことは、社内の人間だってことでしょうッ?」
マシンガンのごとくまくし立ててくるもんだから。
「……あ、いや、その」
隼の怖いくらいの気迫に押された私はしどろもどろで、どんどん縮こまっていく。
そこに、この状況を作り出した張本人が誰かと電話で話しているような声が聞こえきて。
「あー、はいはい。了解」
通話を終えた後で、ほとほと呆れ果てたっていう心情を大きな溜息でもって醸し出しつつ。
「そこのバカップル。そういう痴話喧嘩はあとにしてくれるかな~? 社長が痺れを切らしてるようだから」
お前がこういう状況にしたんだろうが!と突っ込みたくなるような言葉が投げてよこされた。
当然、カッとなった私が夏目さんに強烈な突っ込みをお見舞いしようと放ったモノは、
「「お前が言うなッ!」」
隼が放ったとは思えないほどの乱暴な言葉と物の見事にハモってしまっていた。