【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
あの後、言い出したら聞く耳を持たない私に、結局押し切られることになった可哀想な隼。
先頭を歩く夏目さんに続いて隼のエスコートにより、渡り廊下で繋がっている離れへと足を踏み入れた。
応接室へと向かう道中。
「見かけやタイプは違っても、やっぱり兄弟だなぁ。惚れた女には弱いんだな?」
「あんなロリコンと一緒にしないでください」
「おー、いうね。おっと噂をすれば、メッセージきた。【まだか?】だってさ。もう目の前ですよっと」
ふたりのやりとりを聞いてるうちに、これまた西洋風の豪華絢爛な内装に圧倒される間もなく応接室へと到着していた。
そこには要さんひとりしかおらず、なんとも重苦しい空気で満たされていた。
そうして前置きなく、中央に置かれている応接セットに私と隼が腰を落ち着けるなり。
「実は先日、鳳凰堂の顧問弁護士から連絡があった。で、会ったところ、この写真とこの封筒を渡された。覚えがないか確認したい」
口調と同じ重い面持ちでそう言ってきた要さんは、アンティーク調のテーブルの上に、一枚の写真と一通の封筒を差し出してきた。
その正面には隼が居て、手早く一枚の写真を手に取った。
私が隼の手元の写真へと、隣からゆっくり視線だけで追っていくと。
それは、幼児と呼ばれる年代の子供の写真だった。
ーーん? ちっちゃな、子供の写真のようだけど、誰のこどーーまさか、違うよね?
先日、隼に聞かされた、鳳凰堂のご令嬢である円城寺さやかさんとの、例の一件のことが浮かんで。
ーーそんな訳ないよね?
と、おもむろに隣の隼の横顔を窺えば、血の気の引いた真っ青な顔をした隼が居て、途端に心臓が嫌な音をたて始めた。