【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
――ちょっと、どういうこと?! どうして鬼畜が居るワケ?
それに、ここってどこなのよ?!
心臓が止まりそうになったのは免れたものの、代わりに、酔いから醒めた私の頭には、様々な疑問がひっきりなしに飛び交っている。
そんな私の思考なんて、お見通しだとでもいうように……。
「ようやく、目が覚めてきたようですねぇ? いかがわしい場所ではございませんので、どうかご安心ください。ここは、僕の住んでいるマンションです」
状況を把握できていない私のことを気遣っているのか、相変わらず、耳に心地良い優しい甘やかな声音でそう言ってきた鬼畜。
何が『いかがわしい場所じゃございませんので、ご安心ください』よ。
何が、『僕が住んでいるマンションです』よ。
――全然、安心なんてできないんですけど!
あんまり驚いた所為で、酔いなんてすっかり醒めてしまった私の頭が、冷静に判断した結果、当然、カッチーンと頭にきてしまった私が、
「ちょっと、どうして私が副社長のお宅の、しかも、ベッドになんて寝かされなきゃなんないんですか? まったく意味が分かんないんですけど? 私にも分かるように説明してくださいっ!」
ベッドから飛び起きるようにして起き上がり、すぐ傍に居た鬼畜のネクタイをグイッと引っ掴み、自分の方へ引き寄せて。
眼前の鬼畜めがけて、これ以上にないってくらいに睨みをきかせて凄んでみるも。
「ええ、いいですとも、説明いたしましょう。その前に、僕からも一つだけいいですか?」
少しも怯まないどころか、やっぱりしれしれっとした態度で訊き返してきた鬼畜に、余計に腹が立ってくる。