【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
だって、そんなことバカ正直にわざわざ話さなくても、隠そうと思えば隠し通せたはずだ。
それなのに、『やっぱり侑李には、ありのままの僕を知って、その上でどうしたいかを決めて欲しい』そう言って包み隠さず全てを話してくれた隼。
それほど、私のことを大事に想ってくれてるってことでしょ?
なにより、そういうバカ正直なくらいに真っ直ぐに、いつも気持ちをぶつけてくれる隼のことが好きだ。
そういう隼だからこそ、こんなにも好きになったんだろうし。
どんな隼のことも受け止める、という覚悟なんてもうとっくにできている私が放った言葉に、一方の隼といえば。
「……本当にいいんですか? こんな僕でも」
胸に飛び込んだ私の肩を躊躇いがちに掴んで、僅かに自分の胸から引き剥がしながらに聞き返してきた。
半信半疑っていうのが声音からも言葉からも、ひしひしと伝わってくる。
こういう反応も、どうしようもなくヘタレなところのある隼らしいと言えば隼らしいけれど、もっと私のことを信用してくれてもいいのに、とも思う。
そんなわけで、盛大にムッとしてしまった私は、正面で半信半疑って表情で私のことを窺っている隼の顔を両手で引き寄せ。
「『こんな僕でも』って、それ、どういう意味? いくら隼でもそんなこと言ったら許さない。私が世界で一番大好きな隼のこと二度とそんな風に言わないで」
怒った口調でそう迫っていて。それを見ている隼の甘いマスクが徐々に歪んでゆく。
「……侑李」
ポツリと零した隼の声音は微かに震えている。円な瞳には、涙の膜ができていて、今にも零れ落ちてしまいそうだ。
そんな隼に向けて、私は尚も言い放った。
「それと、私のことがそんなに好きだって言うなら、私が言ったこと信じなきゃダメでしょ? 傍に居て欲しいって言うなら、私のこともっともっと信じなさいよ。いい? 分かった?」
こんなにも隼のことを好きだという想いが隼に全部全部届きますようにという願いを込めて。