【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 こんなにも誰かを愛おしいと想える日がくるなんて想わなかったし。

 こんなにも愛おしいと想える人に同じように想ってもらえる日がくるなんて想いもしなかった。

 愛おしい隼とずっとずっとこうしてくっついていたい。

 ーーもういっそ、このままとろとろに溶け合ってひとつになれたらいいのに……。

そうしたら、隼が心変わりするんじゃないかって不安になることもないだろう。

 なんてことを本気で想ってしまっている。

 隼のことを愛おしいと想えば想うほどに、失うことがこんなにも怖くなるなんて想いもしなかった。

 隼と結婚して夫婦になるっていうのに、やっぱり僅かな不安がどこかで燻っているからだ。

 やっぱり、円城寺さやかさんとのことがまだきちんと解決してしないから、どうしても不安が拭いきれないみたいだ。

 心の片隅で燻り続ける不安感を払拭したいーー。

 隼のことを誰よりも愛おしいと想う気持ちと、相反する不安感に突き動かされた私は、本能の赴くままに隼に向けて言葉を放つのだった。

「うん。隼になら抱き潰されてもいいし、どんなに酷いことされても平気だよ。一生私だけ見てて欲しいって想ってるくらい、隼のことが好きで好きで、どうしようもないくらい愛してる。このままひとつに溶け合ってたいの。だから早く隼の好きなようにして、お願い」

 私の様子を余裕なさげな表情で窺い続けている隼の首に力の入らない腕をなんとか絡ませて抱きつきつつも、隼の円らな瞳を真っ直ぐに見つめ返しながらそう伝えるのが精一杯。

 言い切った刹那、隼に抱きついていた私の身体がグラリと傾いていく。

 どうやら、隼に抱きついた振動でまだ達した余韻で小刻みに打ち震えたままだったナカを強く刺激してしまったようで。

 ナカを満たしていた隼自身をより深く受け入れてしまったことで、またまた達してしまったようだ。

 お陰でバランスを崩してしまった私の身体が崩れ込むのを、咄嗟に難なく抱き留めてくれた隼。

 逞しい隼の腕に包み込まれたただそれだけで、安心感は半端ない。

 隼のぬくもりに包み込まれて、私がほうと息をついていたところに、隼の声が聞こえてくる。

「生まれて初めて心底愛した侑李に、同じ事を想ってもらえてたなんて、幸せ過ぎて、僕、もうこのまま死んでもいい。侑李、愛してる」

 隼は私の言葉に感極まっているようで、その声音は微かに震えているようだった。

 もしかしたらまた泣いているのかもしれない。

 それほど私のことを想ってくれている証拠だから素直に嬉しい。

 私への想いを体現するかのように、ぎゅうぎゅうと私のことを強い力で抱きしめてくる隼の腕の中で、私は言いようのない幸福感に満たされていた。

 けれども隼が放った、『もうこのまま死んでもいい』という言葉に引っかかってしまった私は、いつもの如く、黙ってなどいられなかった。

 冗談でも『死ぬ』なんてことは言って欲しくはなかったのだ。

 勿論、昨年母を亡くしているというのもあるけど、たとえ、たとえ話であっても、隼と死に別れるなんてことは考えたくもなかった。

「『もうこのまま死んでもいい』なんて言うなバカ。私より早く死んじゃったら許さないんだからッ!」

 いつもの強い口調で捲し立てた私のことをやんわりと解放した隼は、依然怒った表情で隼のことを見据えている私とは真逆の、なにやら嬉しそうな表情をしている。

 さっきまで泣いてたくせに、人の気も知らないで、それはそれは腹立たしいほどに嬉しそうなものだった。

「何よ? 嬉しそうに」
「いや、だって、僕は侑李より五つ年上だから、順序で言えば僕が先に死んじゃうと思うのに、可愛いことを言ってくれるなあと思って、嬉しくてつい」
「それでも、私より早く死んじゃヤダ。隼が居なかったら生きていけない。私のことこんな風にしたんだから責任とりなさいよね」
「じゃぁ、これからの人生で、侑李も縛のことだけを愛するって約束してくれる?」
「結婚するんだから、そんなの当然でしょ。バッカじゃないの?」
「なら、お望み通り、これから僕でしか満たせないように抱き潰してあげる。愛してるよ、侑李」
「あっ、ちょっと、待って。今イッたばかりだからあーんっーーんんッ!?」

 隼の言葉に何かを返そうとした私の身体が再び隼によって抱き上げられたときには、胡座をかいた体勢の隼に座位のままで巧みに真下から腰を強く打ち付けられていて。

 大仰な嬌声を放った刹那、唇も隼の深いキスによって奪い去られていた。
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