【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
言い表せないほどの屈辱と、こんな鬼畜のいいなりになるより仕方ない情けなさと、鬼畜に対しての怒りと憎しみというように、次々に湧き上がってくる、様々な感情が入り乱れる中。
シフォンブラウスの最後のボタンを外し終えそれらを思い切って脱ぎ捨てた私の、なんとも心もとない下着だけとなった姿を飽きもせず、鬼畜は冷たい眼差しで見下ろしたままでいる。
そんな鬼畜のベッドに片膝をついている様は、どっかのおとぎ話にでも出てきそうな王子様のようで、腹が立つほどに様になっている。
あんな甘いマスクであの甘やかな声音で耳元で甘い言葉なんて囁かれてしまえば、どんな女性でも、瞬殺、イチコロに違いない。
それなのに、いくら自分の思い通りにならなかったとはいえ、私なんかとわざわざこんな『雇用契約』なんて交わして、こんなことまでさせて、何が愉しいんだろう。
どんなに足掻いたところで、もう、逃げることはできないんだから、じたばたしたって仕方ない。
もう、諦めて、鬼畜の指示に従ってブラのホックに手をかけようとした刹那、ふと頭に浮かんでしまった疑問を、
「わざわざあんな『雇用契約』まで交わして、こんなことして、何が愉しいんですか? 副社長ほどの方なら、こんなことしなくても、女性なんてよりどりみどりじゃないんですか?」
私は、自分でも気づかないうちに、無意識に、口から漏らしていたようだった。