【タテスクコミック原作】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
髪の毛も瞳の色も、漆黒の社長に対して、副社長は少し色素の薄いブラウン。
どこかミステリアスというか、胡散臭いというか、笑顔を浮かべていても、円らな瞳が笑ってないように見えるというか、私の偏見かもしれないけれど、専務だった頃からどうも副社長のことが苦手だった。
そういう噂があっても、女性社員の中では、以前からダントツの一番人気で。
『あんな甘いマスクで、辛辣な言葉を浴びせられるなんて、堪らない。一度でいいから縛られてみたい』
という少々意味不明なことをいう女性には、堪らないらしい。
――バカバカしい。
主要役員の紹介はここまでにして、さぁ、お仕事お仕事。
秘書室に入ると、案の定、まだここの責任者である三上《みかみ》麻子《あさこ》室長の姿しかなかった。
三上室長は、とても四十代には見えない美魔女で、実は二児の母でもあって、優しい母親のような柔らかな雰囲気の持ち主で。
身長も、百六十センチの私とは違って、十センチほど低くて、なんとも可愛らしい女性だ。
真っ黒い髪を、邪魔だからと束ねてまとめただけの色気の”い”の字もない私とは違って。
柔らかそうなブラウンの長い髪を右サイドに流してシュシュで纏めている様がなんとも色っぽい。
どうしたらこんな風になれるんだろうと、いつも感心している私は、こっそり憧れていたりする。