【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
反射的に漏らしてしまった自分の声にハッとなった私が、
「ちょっと、何するんですか? 大きな声出しますよっ!」
自分の置かれた状況もすっかり忘れて、またまた条件反射でそう声を放つも。
なにやら急に、捨てられたワンコのように円らな瞳をウルウルさせて、今にも泣きだしてしまいそうな表情になった鬼畜が、
「僕の気持ちを分かっていて、そんなことを言うなんて、あんまりです」
そんなことを言ってくるものだから。
さっきの鬼畜の告白を思い出し、私が罪悪感に苛まれそうになったタイミングで、鬼畜が笑みを零すような気配がして。
またまたハッとなった私の視界の中では、さっきまで捨てられたワンコのようだった筈の鬼畜の表情は、瞬く間に、あのニヤリと厭らしい微笑を満面に浮かべた表情へと変貌を遂げていた。
――もしかして、騙された? 直感で、私がそう思った時には、
「……ふっ、失礼。侑李さんの反応があまりにも僕好みだったものですから、ついつい調子に乗ってしまいました。侑李さんがどんな反応を見せるのか少々心配ではありましたが、僕の告白に驚きはしたものの、顔色一つ変えない女性なんて、初めてです。
以前から、蔵本くんにも、『秘書室随一の気の強い女性』だとは聞いてはいましたが、これほどとは。いやぁ、ますます気に入りました。
それと、先ほどの告白ですが、訂正しておきます。僕が一目惚れしたというのは、僕に対してなんの躊躇もなく向ける侑李さんの、その反抗的な強い眼差しと、僕に対するあなたの嫌悪感にです」
鬼畜のネタばらしは始まっていて。
どうして鬼畜に自分が目を付けられたのか、その理由と。
自分がこれまで鬼畜に対して向けてきたもの全てが、鬼畜のことを悦ばせることでしかなかったということも、鬼畜によって、真正面から突きつけられる羽目になった。