【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
そんな鬼畜の思う壺に嵌ってしまった私の言葉を耳にした鬼畜は、今までで一番じゃないかというくらいの、ニヤリとした厭らしい微笑を満面に、これでもかというくらい浮かべてから。
「もう、お忘れですか? これは、『雇用主』である僕からの”業務命令”です。『従業員』である侑李さんには僕に指図する権限はないと言ったはずですが。
まぁ、いいでしょう。今夜は初めての業務ですし。それにつきましては、これから追々、僕が侑李さんの身体に嫌というほど教え込んで差し上げますので、覚悟しておいてください。
それではお言葉に甘えて、侑李さんの全てを今からたっぷりと時間をかけて、堪能させていただきます」
この、ながたらとした、少々引っかかるワードをチラホラと交えながら講釈を垂れてきた鬼畜の言葉に、いよいよなんだ、そう悟ったとたん、怯みそうになる自分をなんとか奮い立たせようと、身構えた刹那。
「あれ? どうしました? さっきは大きな声を出すとか言ってませんでしたっけ? まぁ、そんなに怯えていては無理でしょうが」
「……っ!!」
「いいですねぇ、その怒りに満ちた表情、堪りません。さぁ、遠慮せずに、出せるものなら出してみてください」
たて続けに浴びせられる鬼畜の挑発的な言葉に、無駄な抵抗と思いつつも、フンッとそっぽを向いてみせると。
鬼畜に、容赦なく首筋を手でガッと強く掴んで顔を上向かされ、真正面から見据えられ。
「……ぅっ」
苦しさに、思わず苦悶の声を漏らしてしまった私を冷ややかに見下ろす鬼畜の眼差しに。
何故か私は、囚われてしまったかのように動けなくなってしまった。
それを見透かしたように、私の無防備な唇は、乱暴に噛みつくようにして、鬼畜に塞がれてしまっていて。
息継ぎする余裕も与えられない激しさのなか、幾度となく角度を変えて、全てを貪り尽くすようにして深められる、優しさも、愛情の欠片もない、冷たいキス。
それなのに、頭の芯も身体も甘く痺れて、とろとろに蕩かされ、何も考えられなくなってゆく。
そんな意識の中、鬼畜によって、呆気なくベッドの上に押し倒されてしまった私の身体は、もう逃がさないとばかりに、組み敷かれてしまっていて。
私のぼやけた視界には、いつのまにかスーツのジャケットを脱ぎ捨て、キチッと締められていた筈のネクタイを緩め、ワイシャツの襟元からシュルッと今まさにそれを抜き取ろうとしている、ただならぬイロカを纏った妖艶な鬼畜の姿が映し出されている。