【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 ーーウソ!? どうして?

 自分でもどうしてなのか分からなくて、頭の中は混乱しているというのに……。

 それを、尚も鬼畜に、

「ちょっと胸を弄られただけで、こんなに気持ちよさそうに喘いでいるのに、本当に不感症なんですか? それとも、あれは、僕のことをガッカリさせるための嘘だったんですか?」

からかうような口調で、指摘されて。

 そればかりか、嘘までついていたように言われてしまえば。

 またまたカチンとなってしまった私は、凝りもせずに、

「嘘じゃないわよっ! こんなの初めてで自分でもビックリ――」

馬鹿正直にそんなことを口走っていた。

 けれど、鬼畜は私の言葉を最後まで聞き入れることなく。

 何故か、私の胸を弄んでいた手を休めた鬼畜が、

「へぇ、そうですか。どうやら侑李さんは、僕の理想にぴったりの方だったようですねぇ」

酷く感心したような、それでいて嬉しそうな声で、なにやら意味深にそんな不可解なことを言ってきて。

「はぁ!? ど、どういう意味よ?」

 鬼畜の言葉の意味が分からず、困惑しきりの私が思わず零してしまった言葉にも、

「まぁ、そんなに焦らなくてもいいじゃないですか。時間はまだまだあるんですから。僕の言ったことが、どういうことか、侑李さんにも分かるように、僕が今からたっぷりと教えて差し上げますので、ご安心ください」

やっぱりどこか嬉しそうな声で、よく分からないことをほざいてきた鬼畜が、『ご安心ください』なんて言ってきたものだから。

 またまたカチンときてしまった私が鬼畜に放った言葉は、

「安心なんてできる訳ないでしょ? バッカじゃない――うっ!?」

鬼畜によって、後頭部をガッと強い力でベッドに張り付けるようにして手で押さえて固定されてしまったお陰で、首がのけ反り、最後まで言い切ることは叶わないのだった。
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