【紙コミックス①巻11/8発売②巻12/6発売✨】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

　いつしか、鬼畜によって押さえつけられていた筈の後頭部は解放されていて。

　その代わりに、後頭部の後ろに差し込まれた鬼畜の手によって、動けないように髪を掴まれていた。

　相変わらず、首はのけ反ったままのため、苦しくて、眼前に迫ってきて、私のことを冷ややかに見下ろしている鬼畜に文句を言ってやりたくても、声を出すこともままならない。

　そんな状態の私のことをあざ笑うかのように、鬼畜は今一度、わざとらしく口角を片方だけ吊り上げ、あのニヤリとした厭らしい微笑を満面に浮かべて見せると。

　今度は、なにやらうっとりとした恍惚の表情に豹変した鬼畜が、私の頬をそうっと優しく愛おし気に手で撫でながら、

「いいですねぇ？　侑李さんの、その苦悶に満ちた表情。けれど、ご安心ください。僕がすぐによくして差し上げますから」

やっぱり不可解なことを言ってきて。

　――こんな状態で、何が『よくして差し上げます』よッ！　頭、可笑しいんじゃないの？

　なんて、心の中で毒づいてみたはいいけれど。

　その、ただならぬイロカを纏った妖艶な鬼畜の姿を前に、どういうわけか、囚われたように視線を引きつけられたまま、逸らすことさえできない私の身体が、ついさっき味わったばかりの甘い痺れを期待するかのように、勝手にゾクゾクと粟立ってゆく。

　鬼畜は、まるでそれを見越したかのように、絶妙なタイミングで、いつのまにやら私の頬を撫でていた手を胸に移動させていて。

　私がそれに気づいた時には、左胸の柔肌の感触を味わうように、焦らすようにゆっくり円を描くようにして、胸の膨らみを押し潰しながら巧みに容赦なく攻め立てられていた。