Blue Pirates
「何でも、ないよ。私一人の問題だから……」

アルビーから目を逸らし、ロゼッタは手紙を見つめて言う。この気持ちは、イリーナのことは、自分だけが抱えていればいい。自分はお情けでここにいさせてもらっている。そう思うロゼッタの瞳から、また涙がこぼれた。

「周りをよく見て。本当に独りぼっちなの?」

ロゼッタの肩をアルビーが掴む。ロゼッタを見つめるアルビーの目はいつもよりずっと真剣なものだった。その直後、ドアが開いてルーベン、スコット、それにエレンも入ってくる。

「話を聴かせてくれませんか?僕たちは人繋ぎの運命共同体です。ロゼッタの力にきっとなれます」

エレンが昼間女の子に向けていたような優しい顔をする。スコットも「俺たちは迷惑だなんて思っていない。何度でも泣いて願ったっていいんだ」とロゼッタに声をかけた。

「俺たちは同じ船にいる。お前だって仲間だ」

ルーベンにそう言われ、ロゼッタは「ごめんなさい、ありがとう……」と言ってから全てを話した。何度も涙を流し、言葉にならないものも口からあふれた。それでも、ルーベンたちは最後までロゼッタの話を聴いてくれた。
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