Blue Pirates
アルビーの声が大きかったため、スコットとエレンがロゼッタに気付く。

「ロゼッタ、どうしたんですか?」

「妹もロゼッタみたいに美人なんだろうな〜」

ズキズキとロゼッタの胸が痛む。もうあの笑顔に巡り会えないことが、たまらなく苦しいのだ。

「……もう、会えないの。この世界のどこにいるか、わからないの!!」

ロゼッタは泣きながらそう言い、船へと戻る。初めてルーベンたちの前で泣いた。

部屋にこもり、ロゼッタは泣き続ける。手紙に何度も涙がこぼれ落ちた。



ロゼッタが目を開けると、そこにあったのは暗闇だった。泣き疲れて眠ってしまい、夜になってしまったようだ。

「イリーナ……」

ロゼッタはベッドの近くに置かれた手紙に手を伸ばす。すると、優しくロゼッタの華奢な腕が掴まれた。

「そんなに泣いてどうしたの?」

いつから部屋にいたのか、アルビーが優しくロゼッタの頭を撫でる。いつもなら、「レディーの部屋に入らないで!」と言っていただろう。
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