Flower black
「……この世界を壊すことは許さない。僕にだって守りたいものはある」
「親を守るため? 本当、そういうのは大嫌いだ。桜夜くん、君には全部話しちゃったしこれはこのまま黙ってるわけにはいかないね。……蘭もいるし」
光くんはニコッと笑った。
「入院生活を送ってる君に、なにができるの?」
「別に、この命なんてなんとも思ってないし喧嘩ぐらいしても平気。それに俺には銀河もいるしね」
銀河……そうだ。銀河は光くんのことを"昴"として尊敬しているから……
「蘭。俺は小さい頃からの入院生活、蘭に癒されてたよ。でも桜夜くんのそばにいる限り、これから蘭は敵だね」
「……っ」
"敵"
ずっと小さい頃から仲良くしていた光くんにそう言われて私は心が傷んだ。
私は……光くんのことを何も知らなかった。