Flower black



「……本当に守ってくれたね。桜夜」


「銀河いなかったからね……よかった。蘭を戦わせずに済んで」



桜夜くんはニコッと笑って私の頬に触れた。



「……お、桜夜くん、顔に血が……袖にも……!」



やっぱり桜夜くんでも少し殴られたりしたってことだよね……!すごい血だもん……!



「あー……たぶんこれ返り血」



桜夜くんはそう言って袖で自分の頬を拭った。


か、返り血……?



「じゃあ……怪我してないの……?」


「うん、してない。ちょっといつもより強く殴ったから相手の血浴びただけ。でも蘭につけると汚いからちょっと離れてー……」



桜夜くんがそう言った瞬間、私はギュッと桜夜くんを抱きしめた。



「えっ……蘭?」



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