Flower black
「……だからこんな半年しかない人生、どうでもいいよ。兄貴のところに行けるならそれだけで救われるし。……蘭が助けてくれるならもっと幸せかもしれないけど」
「……」
ボソッと最後に小さく言った言葉を私は見逃さなかった。
光くんと出会ったのは小学生の時だ。
その時からお母さんが死んでしまったらどうしようと不安になっている私を支えてくれて、話も聞いてくれた。
病気で不安になっているお母さんのことも支えてくれていた。
そんな光くんを……あと半年で失うなんて考えられない。
「……助ける。光くん、あと半年私が幸せにするから」
「……そっか……それなら復讐もどうでもよくなるかもな……」
光くんはそう呟いて私の肩にズルっと身体を預けた。
「光くん……?」