Flower black



「同盟を結ぶの。ずっと犬猿の仲だった香月家と橘組が……そうしたら光くんのお兄さんを殺した世界はもう二度と生まれない」


「おまえ……そんなことが簡単にできると思ってるのか?」


「思わないよ、桜夜くんのお母様の代から続いてきた関係だもの。でも同盟を結ぶのなら今しかないと思う」


「……」



私が強い目で銀河を見つめると銀河は何も言えないような顔で目を逸らした。



「……昴さんの復讐はどうなる」


「光くんは本当は復讐なんてしたくない。私は光くんの最後の人生、喧嘩させたくないし悲しい思いもさせたくない。

だから"流星"もFlower blackと同率の位置に並ばせる」


「同率って……」


「"流星"がFlower blackに従うとかじゃなくて、2つのチームはお互いを支え合っていくの。それが理想でしょ?」



それに……この私の理想はかつてきっと海桜さん達が思い描いて実現させたことだ。


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