Flower black
「……蘭、ありがとう」
グッと拳を握ってると、桜夜くんはスっと私の前にでた。
「母さん、香月家がこれからも業界のトップに君臨し続け、慕われ続けるには、橘組と同盟を結ぶしかないと思う。
……もちろんすぐに結ぶっていうことじゃない。
次世代である、僕達が基盤を作りたいんだ」
「……なぜ、そういう経緯に至ったのか考えを聞かせて欲しい」
海桜さんはゆっくり冷静にそう言った。
「……分かった。それは、僕からじゃなくて彼から話すよ」
桜夜くんがそう言うと、後ろにいた光くんがでてきて海桜さんの前に立った。