Flower black
「……光くんの為の薬を開発すればいい」
「……は……そんなこと余命の間にできるわけが……」
「分かってる。でもその為の医者だ。治せない病気があるのならその為に開発していくしかない」
「……」
光くんは信じられない顔で逢坂先生から視線を逸らした。
「寿命は、今できる最新の医療技術でできる限り伸ばす。即効性のある薬はきっとすぐには作れないけど、徐々にその病を治す薬は作れるはずだ」
「……ほんとにそんなことできるんですか。前の担当医に余命宣告されてるんですよ。簡単に医者の言うことなんて信じられません」