Flower black



「それは前の担当医が最後まで向き合わなかったってことだ。僕は最後まで向き合いたい。だから一緒に頑張ってほしい」


「……」



強く光くんを見つめる逢坂先生に光くんは少し目を潤ませていた。


……光くん……



「……分かりました。そしたら俺も自分のことなんで薬の試作とか全部協力します」


「それは……身体にリスクが伴うかもしれないんだよ」


「いいです。あと半年で死ぬかもしれない体です。それならできる限りの事はしたい。……って今先生の話を聞いて思いました」


「……そうか……分かった。本当に頑張ろう。診察は3日に1日香月家に診にくるからね」


「……ありがとうございます」



……光くんが前を向いてくれているー……


自分の命なんてどうでもいいって感じだったのに……徐々に自分の命と向き合ってくれてる。


……逢坂先生のおかげもあるけど、ここまでしてくれた桜夜くんのおかげだ。


本当にありがとう、桜夜くんー……


……私まで目が潤んでくるよ。



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