Flower black
「なんでって、蘭が好きだから以外にある?」
「……っ!」
面と向かって言われる"好き"に私は戸惑う。
「俺は蘭の幼なじみとして側にいたいわけじゃない。蘭を桜夜くんから奪いたいくらい好きだと思ってる」
「で、でも私は桜夜くんが好きで、光くんのことは幼なじみとして好きなことには変わりないと思う……」
私がはっきりそう言うと光くんは私の顔に触れた。
「分かってる。だから諦めるためにもう1回キスさせて」
「……ダメ」
「……そっか……ならこれでいいでしょ」
「……え」
光くんはそう言って唇にギリギリ触れるかのところにチュッとキスをした。