Flower black




『蘭が大切にしているもの全部、僕が守る』



ふと桜夜くんが前に言っていた言葉を思い出した。


……本当にそうだな。


桜夜くんは約束を1度も破ったことない。


むしろそれ以上の願いを叶えてくれる。


そう思うと、涙腺が一気に緩んで泣きそうになった。



「……ってか、美羽と銀河は高三じゃん。この中途半端な時期に編入なんていいわけ? しかも華ノ蔵……」


「なんか香月家が私たち3人の推薦状を書いてくれたみたいで、入学金諸々全部援助みたい。……つくづくすごいなと思うわ、香月家ー……」


「ここまできたら逆にセレブすごすぎてひくわ……」



光くんは冗談っぽくそう言った。


……って待って。光くん、美羽さんのこと"美羽"って呼び捨てで呼んだ……?



< 410 / 425 >

この作品をシェア

pagetop