Flower black
『蘭が大切にしているもの全部、僕が守る』
ふと桜夜くんが前に言っていた言葉を思い出した。
……本当にそうだな。
桜夜くんは約束を1度も破ったことない。
むしろそれ以上の願いを叶えてくれる。
そう思うと、涙腺が一気に緩んで泣きそうになった。
「……ってか、美羽と銀河は高三じゃん。この中途半端な時期に編入なんていいわけ? しかも華ノ蔵……」
「なんか香月家が私たち3人の推薦状を書いてくれたみたいで、入学金諸々全部援助みたい。……つくづくすごいなと思うわ、香月家ー……」
「ここまできたら逆にセレブすごすぎてひくわ……」
光くんは冗談っぽくそう言った。
……って待って。光くん、美羽さんのこと"美羽"って呼び捨てで呼んだ……?