恋の涙、愛の傷
2週間後、カナはまたバーへと向かった。
今日、会えそうな気がしたからだ。
バーの扉を開けると、そこにはカナのカン通り、高科がいた。
「カナ、いらっしゃーい」
マスターへの挨拶もそこそこに、
勇気を出して高科に声をかける
「お隣いいですか?」
「どうぞ。カナちゃん」
高科は、カナの名前をちゃんと覚えていた。
そのことが嬉しくて、
高科とカナはたくさん話をした。
高科は5つ上で、ここの近くのオフィスビルの会社員と言う事がわかった
――ケッコン シテルンデスカ?――
カナはなぜかこの質問をする事ができなかった。
聞いてはイケナイ気がしたから