恋の涙、愛の傷
今日のキスは、いつものそれと違っていた。
「ん・・・」
カナの口から思わず、甘い吐息が漏れる
高科は左腕でカナを抱きしめたまま、
服の上からカナの胸をそっと触れてきた
・・・勝負下着でよかった
カナが痛くないように、ゆっくりと、
高科はカナを押し倒し、
シャツの中へ、優しい手を入れた。
カナの頬に、首筋に、鎖骨に、
高科は優しくキスをしていく
カナは、甘い呼吸を少し、こらえながら、
その優しい唇と、手の動きを全身で感じていた
緊張のあまり、すごく、自分が敏感になっているのが
カナは恥ずかしかった
けど―――
高科は、カナを抱かなかった。
カナにだけ、快楽を与え、自分はこらえたのだった。
どうして?
カナは尋ねようとしたが、やめた。
きっと、彼は、自分は結婚してるから、
無責任なことはしたくなくて、しなかったのだろう
そう思った。
高科はカナをずっと抱きしめてくれていた。