恋の涙、愛の傷
その後も、高科はカナの家にきても、
また、カナを抱こうとしなかった。


カナは、高科が欲しいと思ってしまった。

でも、はっきりそれを口にする事が出来ず

「私だけ、ずるい。」
この言葉だけで精一杯だった。

一瞬、戸惑う高科の表情が愛しくなって
思わずカナから高科にキスをした。


「高科さんも気持ちよくなって・・・?私と」

カナがこの言葉を言うのに、どれだけの勇気が必要だったか

今まで、こんな言葉を言ったことがなかったから。

高科はじっとカナを見つめて
「いいの?」
と聞き、カナの口唇を吸った
「うん」
吐息交じりの返事をした。

「あんな事言われたら、
さすがに理性が飛ぶよ
カナちゃん・・・」
カナの白い首筋に舌を這わせて
高科が囁いた


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