恋の涙、愛の傷


隣に、女の人がいた。

おなかがふっくらした女性だった。


―――奥さんだ


確かめなくても、分かる。



カナはとっさに隠れ、そちらのほうを見る。



奥さんのペースに合わせ、ゆっくり肩を並べて歩く高科がいた。



妊娠してるんだ。




子供服のブランドの紙袋を持って歩く二人。




カナはそれを隠れて見るしかなかった。




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