恋の涙、愛の傷
見上げると、

「高科さん・・・?」

6年の年月が経っていても間違いない。高科だった。

「カナちゃん・・・?」

時が止まったように、

お互い、何も言えずに立ち止まったままだった。



その時、高科の隣で、誰かが動いた。

「パパぁ?ママが待ってるよ」

小さな女の子だった。


するとケンも
「カナねぇ、行こうよ」
カナの腕を引っ張る


高科が何も言わず、黙って微笑み、歩き出した。

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