聞こえるまで何度だって言うよ
「今日は恋愛小説でも読もうかなって思って……。オススメってある?」
葉桜さんに訊かれ、僕は「これ、面白かったよ。耳が不自由な人の恋の話なんだ」と最近読んだばかりの純愛小説を手渡す。
「綺麗な表紙〜。うん、興味が湧いてきた!これを読んでみるね!」
そう言い、葉桜さんは僕に笑顔を向ける。初めて向けられたその笑顔に、僕の胸はギュッと苦しくなった。それでもとても幸せで、でも、この気持ちが何かなんてわからない。
その日から、僕と葉桜さんは時々話すようになった。と言っても、本の話しかしたことがない。本の話以外のことを質問したくても、恥ずかしくてできないんだ。
少しでも葉桜さんと話せると嬉しくなる。だから、葉桜さんが他の人と楽しそうに話している様子を見て、胸が痛むんだ。
できれば横にいてほしい。どこにも行ってほしくない。僕のことだけをずっと考えていてほしい。そんな独占欲みたいなものが心に渦巻いた時、葉桜さんに対して恋愛感情を抱いていると知った。
葉桜さんに訊かれ、僕は「これ、面白かったよ。耳が不自由な人の恋の話なんだ」と最近読んだばかりの純愛小説を手渡す。
「綺麗な表紙〜。うん、興味が湧いてきた!これを読んでみるね!」
そう言い、葉桜さんは僕に笑顔を向ける。初めて向けられたその笑顔に、僕の胸はギュッと苦しくなった。それでもとても幸せで、でも、この気持ちが何かなんてわからない。
その日から、僕と葉桜さんは時々話すようになった。と言っても、本の話しかしたことがない。本の話以外のことを質問したくても、恥ずかしくてできないんだ。
少しでも葉桜さんと話せると嬉しくなる。だから、葉桜さんが他の人と楽しそうに話している様子を見て、胸が痛むんだ。
できれば横にいてほしい。どこにも行ってほしくない。僕のことだけをずっと考えていてほしい。そんな独占欲みたいなものが心に渦巻いた時、葉桜さんに対して恋愛感情を抱いていると知った。