聞こえるまで何度だって言うよ
「僕の家、知ってたの？」

「家頭くんの借りているマンションの部屋の隣に私の知り合いが住んでるの。知り合いの家に遊びに行った時に、家頭っていう表札を見つけてまさかねって思ってたけど、知り合いに話を聞いたら家頭くんだったってわけ」

世間って狭いんだな、どこかで誰かがつながっているんだなと初めて感じた。でも今はそんなことはどうでもいい。僕は、きちんと伝えなくちゃいけないことがあるから。

クリスマスツリーの前に到着する。多くの恋人たちが煌めくクリスマスツリーを見つめ、はしゃいでいた。

「綺麗〜……」

葉桜さんがクリスマスツリーを見つめる。僕は葉桜さんの横顔を見つめながら、言った。

「君が好きだ」

僕の呟きに、葉桜さんが「えっ？何か言った？」と首を傾げて僕を見つめる。僕はニコリと笑って言った。

「聞こえるまで何度だって言うよ。君が好きだ」

葉桜さんの顔が赤く染まっていく。僕もドキドキしてきちゃった。

聖なる夜は、恋が実る瞬間を作ってくれる。
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