【完】スキャンダル・ヒロイン
Act0
Act0
なんという美しい顔立ちだろう。
少し長めの茶色の髪はセットされていなくとも洗練されていて
キリっとした眉は整えられていて、スッと通った鼻筋に美しい唇の形。
頬にひとつ小さなほくろがあるのさえ色気に感じる。そして茶色みがかった切れ長の瞳はまるで吸い込まれそうに綺麗だった。
程よくついていた筋肉がありスタイルも良く、こんな造形の整った人間を見た事は無い。
腰回りにバスタオルを巻いて、髪からはぽたりと雫が落ちる。
「何だ?お前」
前髪をかき上げて彼がこちらへあからさまな敵意を向ける。
「あのー…私…」
「誰の許可を得てここに入ってきている?!
まさかお前俺のファンか?それともストーカーか?!」
美しい唇から紡ぎ出される言葉はお世辞にも綺麗とは言えない。
「いえ、私はそういったものではなく……」
ずかずかと遠慮なくこちらへ歩いてきて、壁側まで押し寄せたかと思えばバンッと大きな音を立てて壁に手をやる。
これは俗にいう’壁ドン。’ドラマや漫画でしか見た事はない。こんなかっこいい男にそれをされたらときめかない女はいないと思う。けれど意とは反して体がぶるりと震えあがる。
美しさは恐ろしいものだ。息がかかりそうなくらい近くまで顔を突き出して、そして眉間に皺を寄せてこちらへ凄む。
「あの…本当に誤解です…」
「このブスがッ!人んちに勝手に上がり込んできて気持ち悪ぃんだよ!
警察に通報するぞ!」
なんという美しい顔立ちだろう。
少し長めの茶色の髪はセットされていなくとも洗練されていて
キリっとした眉は整えられていて、スッと通った鼻筋に美しい唇の形。
頬にひとつ小さなほくろがあるのさえ色気に感じる。そして茶色みがかった切れ長の瞳はまるで吸い込まれそうに綺麗だった。
程よくついていた筋肉がありスタイルも良く、こんな造形の整った人間を見た事は無い。
腰回りにバスタオルを巻いて、髪からはぽたりと雫が落ちる。
「何だ?お前」
前髪をかき上げて彼がこちらへあからさまな敵意を向ける。
「あのー…私…」
「誰の許可を得てここに入ってきている?!
まさかお前俺のファンか?それともストーカーか?!」
美しい唇から紡ぎ出される言葉はお世辞にも綺麗とは言えない。
「いえ、私はそういったものではなく……」
ずかずかと遠慮なくこちらへ歩いてきて、壁側まで押し寄せたかと思えばバンッと大きな音を立てて壁に手をやる。
これは俗にいう’壁ドン。’ドラマや漫画でしか見た事はない。こんなかっこいい男にそれをされたらときめかない女はいないと思う。けれど意とは反して体がぶるりと震えあがる。
美しさは恐ろしいものだ。息がかかりそうなくらい近くまで顔を突き出して、そして眉間に皺を寄せてこちらへ凄む。
「あの…本当に誤解です…」
「このブスがッ!人んちに勝手に上がり込んできて気持ち悪ぃんだよ!
警察に通報するぞ!」
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