【完】スキャンダル・ヒロイン
「やっぱり静綺って特別な人に好かれる傾向があるよね。昔からめちゃくちゃモテる訳じゃないけど、皆が選ばれたい唯一無二の人に好かれる。
小学校の時からずっとそうだったじゃん…!それだと言うのにあんたは自分は相手に釣り合わないとか言っちゃって…こっちから見てたら勿体ないったらありゃしなかったよ!
雄太も安浦も北原先輩も」
「またそんな昔の話を出して……」
「だって本当に勿体ないじゃん!下らない男何人からも好かれるよりも、特別な男たったひとりに好かれる方がずっと重要だよッ」
「ん~……」
りっちゃんの言葉に気のない返事をすると、更に彼女は深いため息を漏らした。
「あのさぁ…花火大会の話はナイス姫岡真央って感じがしてならないんだけど。
実はさあ…静綺に言うの悩んだんだけど、しおりの仲の良いグループの子からあたし聞いちゃったんだ。
しおりは最初譲と良い感じだったじゃん?それなのにいきなり拓馬を選んだのが不思議だって。静綺も疑問に思ってた事だと思うけど…
話を聞いてる私達から見ても疑問じゃん。」
「それは……」
確かに。私はしおりと譲が良い感じで、しおりからも譲と付き合うと思うって聞いていた。
けれどその話はもう今更だ。もう終わってしまった事だから。
けれど頬杖をついたりっちゃんは、深いため息をついて目を伏せた。
「どうして拓馬を選んだの?って聞いたら、それは静綺の好きな人だったからってしおりが言ってたんだって」
「え…?!どういう事…?」