【完】スキャンダル・ヒロイン
「ねぇ真央今日撮影何時まで?」
「今日は20時には終わるんじゃね?」
「じゃあ一緒にご飯でも食べに行こうよーッ久しぶりに真央と話したいのー!」
「いや…俺…そういうのは…」
と言いかけた時に今朝静綺の前で大見栄を張った事を思い返していた。
’共演者の女優が一緒に飯を行こうってうるさくってなぁ’
じとーっと岬の顔を見る。すると目をキラキラとさせて、ん?とこちらへ微笑んだ。
こいつ一応’共演女優’だよな…?元カノでもあるし。
「まあ少しくらいならいいかな。暇だし」
「わーい!!行こう行こう!」
万歳をしてはしゃぐ岬を前に、この時した選択が間違いだとはまだ気づいてはいなかった。
20時少し前に撮影を終えて、坂上さんを先に帰した。少しだけ心配されたけれど、そのまま岬と個室のある居酒屋に向かう。
飲もうよ。と言われほんの少し酒が入ってしまったのがいけなかった。酒は元々強くはない。お酒も入り酔っぱらった俺は情けない事に、元カノを前に醜態を晒す羽目になるのだ。
…やっぱり来なきゃ良かった。
「もう俺本当に駄目なんだよなー……」
「駄目なんかじゃないよー…。真央は頑張ってると思う…!
それより最近は体調大丈夫なの?真央は繊細だしさー傷つきやすいから心配してるんだけど、これでもッ。
周りの声やネットの声なんてまともに聞くべきじゃないよ。人気が出れば出る程的にされやすいんだから。
あたしなんてネットじゃああることない事書かれまくりだからねッまあ大半がない事なんだけどさぁ」