【完】スキャンダル・ヒロイン
「俺は自分で言うのもなんだけど優しいし性格いいからね。
でもね、これはもう性分というかなんというか俺はきっと頭の中で計算しているんだ。どうすれば人から良く見られるか、どんな言葉を使えば相手を喜ばせられるかって
真央は違うじゃん?あれが素じゃん?素で人から愛される人間っていうのは、生まれ持って人から愛される才能を持っている人なんだと思う。
不思議だよね。いつも自然体で、言いたい事も結構自由に言ってるくせに、周りにはいつも人がいて嫌味も感じない。」
昴さんの言いたいとすべき事は何となく理解出来た。
けれど彼がまさか真央にここまでコンプレックスを持っていたとは思わなかった。その真央は真央で昴さんに物凄くコンプレックスを持っているように見えるけど。
「でも昴さんだってそうじゃありませんか?」
「俺は違うよ。きっと皆や静綺ちゃんが思っているほど出来た人間って訳でもないんだ。
それに真央って俺から見ても純粋の塊みたいな人間でさ、俺なんか売れなかった時代も演技のアドバイスを貰ったり、昴はどうやって人に魅せたら伝わるとか真剣に考えてくれて
そういう面倒見の良い部分もあってそういう人間性って分かりずらくても伝わる人には伝わるんだと思う。
羨ましいよ。俺はああいう人間になりたかった」
’羨ましいよ’と独り言のように言った事はには少しの嫉妬と羨望が混じっていて、いつもは完璧な昴さんの人間らしい所を初めて見たような気がした。