【完】スキャンダル・ヒロイン
「瑠璃さんスタイル良すぎるし、豊さんもお笑い芸人さんとは思えないくらいかっこいい。
やっぱり芸能人ってオーラあるよね?」
「それは私も同感。」
「ねぇねぇ姫岡真央は?!」
最後に寮の奥から真央が出てきた。
今日も’俺芸能人です’というオーラを放ちまくって、お洒落な私服に身を包み、サングラスをかけている。
しかし私を驚かせたのはその隣にいた人だった。…なんで?!何も聞いていない。
真央の隣で彼の腕に手を絡ませるのは、岬さんだった。
ロングの真っ白のワンピースを着て、つばの深い麦わら帽子を被って真央の耳元に手を充てて何かを言って笑っている。
「ね、あれって南条岬じゃない?!」
さすがはりっちゃん芸能通。
「超可愛いッ。顔小さいし目が大きいッ。同じ人間とは思えない!
えぇ姫岡真央と腕組んでるけど?!」
正にりっちゃんの言う通りで戦う前から戦意喪失してしまいたくなるような容姿。
つーか今日岬さんが来るなんて一言も聞いていないんだけど、それはまあ…真央の彼女?だから当然なのか…?
「おう。おはよう」
こちらへ来た時も岬さんは真央に腕を絡ませたまんまだった。岬さんの視線が感じる。思わずぷいっと顔を背けてしまった。
…お似合いすぎて目もあてられないんだけど。
こっちの思いとは他所に真央はサングラスを外して、にっこりと営業スマイルを作った。それは、あの時と一緒だ。しおりやたっくん達に会いに行った時と。