【完】スキャンダル・ヒロイン

可愛い癖にスタイルも驚く程良い。すらりと伸びた細い脚。華奢なくせに胸もあって…それなのにアイドルちっくな水着も似合ってしまうって…。

さすがは10年に一人の逸材と言われるだけある。

「静稀ちゃんは水着に着替えないの?」

瑠璃さんが不思議そうな顔をして言う。

「静綺ったら恥ずかしがっちゃってさー」

だって私って中途半端なんだよ。

背は高い方だから可愛い系は似合わないし、かと言って胸も全くないからセクシー系で決めるのもキツイ。

この日の為にわざわざ買いに行った水着は、オフショルになっている赤の水着だった。真央がくれた浴衣と合わせてこれに決めたけれど…いまいち似合っているか自信がない。

「なぁーに恥ずかしがってんの!せっかくプールに来たんだから。
水着に着替えたら髪もアップにしてあげるからねぇ~」

瑠璃さんに背中を押されて何とか水着に着替えた。
姿見で何度も確認してみたけれど、これ似合ってる?おかしくないか…?

痺れを切らした瑠璃さんとりっちゃんが着替えている所に入ってきて、私の水着をまじまじと見つめる。

「綺麗すぎるッ!」

「ね?瑠璃さんそうですよね?静綺って背も高いしスレンダーでスタイルが良いのに自分では気づいてないんだもん」

「そうなのよねぇ~…勿体ないわぁ~…静綺ちゃんはもっと自分に自信持った方がいい。
静綺ちゃんは綺麗可愛いって言う1番得をする生き物なのよッ!」

力説する瑠璃さんは私の髪を、浴衣を着た時のようにアップにしてくれて、メイクまで付け加えてくれた。
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