この恋シークレット   ~アイドルと運命の出逢いをしました~
コンサート会場に到着した葵は、人の多さに驚く。どこを見ても人で溢れている。年代も様々で、小学生位の子から年配の女性まで幅広い。

会場に入る列、グッズを購入する列、並んでいるお客さんの顔はみんな満面の笑みだ。

改めて、自分の好きになった人の凄さを知り、蒼に出会った頃の葵なら逃げ出していただろう…
この2年、前を向き進み続けた葵は若干怖じ気づく気持ちはあるが、それよりも蒼の存在が誇らしく感じている。

素晴らしい人を好きになった自分にも自信が持てることを感謝したい。

コンサート初体験の葵は、どうしていいか全くわからず、入場の列に並んだ。チケットには2階席となっている。

開場時間は過ぎているが、持ち物のチェックなどがあり中々進まないが、葵にとっては2年待った蒼に会えるのだ。会場全体の雰囲気を楽しみながらジッと待っている。

そして、30分後にはやっと中に入れた。

2階のブロックを探す。

通路を歩き、チケットに書かれたアルファベットを探していると、一カ所扉が閉められ係員がいる入口が見えた。

まさか、葵は自分が関係者席のチケットを持っていると思わず通り過ぎた。





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